■ カウンターディフュージョン法

■ カウンターディフュージョン法の原理

カウンターディフュージョン法とはキャピラリー中の蛋白質試料と、結晶化試薬を相互に拡散させる結晶化方法です。タンパク質分子はキャピラリーの中から外に、結晶化試薬分子はキャピラリーの外から中に拡散することにより、キャピラリー内で濃度勾配を形成します。キャピラリー内には経時的に広範囲の濃度条件が実現し、結晶生成条件に到達したところから結晶生成が始まります。このため、外液の結晶化試薬濃度を高めに設定することで、容易に広範囲の結晶生成条件を探索できます。つまり、クリスタルチューブキットでは、1本のキャピラリーの中で無限の結晶化条件をスクリーニングしてることになります。

1) McPherson A., Crystallization of Biological Macromolecules, Cold Spring Harbor Lab. Press (1999) 2) Garcia-Ruiz, J.M., Moreno, A.: Acta Cryst., D50, 484-490(1994)

■ 結晶化条件の準備

1

目的とするタンパク質のPIから1~2程度離れたpHのバッファを選択します。

2

以下の結晶化溶液を準備します。

・Buffer + 4M (NH4)2SO4

・Buffer + 30 % PEG 4000 + 100 mM ~ 1 M NaCl

3

ゲルチューブは10mmに切り、下記の溶液にあらかじめ数日~1週間程浸漬下さい。

4

クリスタルチューブキットに蛋白溶液、結晶化溶液をセットします。内径0.3mm長さ50mmのキャピラリーに必要な蛋白溶液は2μlですので、僅か20μlのタンパク質溶液で最初の検討が可能です。

■ 結晶化の例

  • 右表(C: 結晶生成、O: オイル、 P: 沈殿)に示すように、PEGを結晶化試薬として使用する場合には、最適な塩濃度があります。塩濃度が低すぎると溶液はクリアなままです。一方高すぎると沈殿やオイルになりやすくなります。 Reference ICCBM12 (2008) Program & Abstracts Book 128
  • 予めタンパク質試料とリザーバ溶液を1:1で混ぜてキャピラリーに充填することで、結晶化が加速することがあります。