■ カウンターディフュージョン法

■ カウンターディフュージョン法の原理

カウンターディフュージョン法とはキャピラリー中の蛋白質試料と、結晶化試薬を相互に拡散させる結晶化方法です。タンパク質分子はキャピラリーの中から外に、結晶化試薬分子はキャピラリーの外から中に拡散することにより、キャピラリー内で濃度勾配を形成します。キャピラリー内には経時的に広範囲の濃度条件が実現し、結晶生成条件に到達したところから結晶生成が始まります。このため、外液の結晶化試薬濃度を高めに設定することで、容易に広範囲の結晶生成条件を探索できます。つまり、カウンターディフュージョン法では、1本のキャピラリーの中で無限の結晶化条件をスクリーニングしてることになります。

1) Garcia-Ruiz, J.M., Moreno, A.: Acta Cryst., D50, 484-490(1994)

2) McPherson A., Crystallization of Biological Macromolecules, Cold Spring Harbor Lab. Press (1999)